番号:EWCD-153
発売日:2008-10-29
世界でも例のない楽器の組み合わせが注目を集めるアンサンブルが、注目の二枚目(菊地の『南米のエリサベス・テイラー』を含めると三枚目)のアルバムを発表した。メンバーが何名か交代し、第二期ペペ・トルメント・アスカラールの音楽は、あたらしいサウンドを響かせ始めた。これまでのジャズ-ラテン的なラウンジ感は残しつつ、さらに映画音楽、ブラジリアンミュージックの隠れた名曲を取り上げなど、ペペ・トルメント・アスカラールから聴こえてくる音楽はポピュラーミュージックのあらゆる領域にひろがりをみせる。今回のアルバムのために委嘱された菊地本人の作品(#9)、中島ノブユキ("エテ・パルマアンサンブル"を主催)の作品(#8)、二人の共作(#6)では、このアンサンブルがもつ底知れない可能性が楽しめるだろう。ポピュラーミュージックという音楽ジャンルが、映画、BGMなどに溜め込んできた名曲を、菊地はこのアンサンブルで、現代音楽を披露するかのように、慎重に取り上げ、古典/ロマン派を取り上げるように意匠を凝らした解釈を施す。コレクティブ・インプロビゼーションをコラージュした作品の響き(#3,5,7,12)の鮮やかさは忘却の美しさをたたえる、アルバムタイトルに呼応するかのようだ。
曲目リスト